駅の近くのガソリンスタンドでの給油中、
入り口付近で「ギャア」というお婆さんの声、

車と接触したのかと思ったが、車はスルーして、
お婆さんもそのまま歩いて行く・・・真っすぐ歩かずカクカクと蛇行しながら・・・

関わりあいになりたくなかったので、通り過ぎるのを待ってから
ガソリンスタンドから出たが、運悪く信号に捕まる。

ミラー越しにお婆さんの動きをチェックする。
歩道を歩いてた婆さんが、ツツツツーと近づいて来て助手席から車を覗き込む、
つぎに後部座席の方に回り覗きこむ、

「こ、恐ぇぇー!!」

え、これどうしたら良いの!?
カギ閉めるか?
などと思っている間に、婆さん離れて行った・・・

フウ、助かった、と思い目線を外した瞬間、

「ゴトン」

うわ! 婆さん車にぶつかって転げとる!!

歩道から車道に下りたひょうしに転んだようだ。

信号が変わる、「どうする?走り去るか??」「いやしかし・・・」
躊躇の後、「めんどくせー」と思いながら婆さんに声をかける。

「大丈夫ですか!?」

「大丈夫、大丈夫、向こうの子供が気になって・・・」

道路の向こう側で6~7人の中学生がこっちを見ている。
変な物を見る、からかうような感じで、
やべえ、これ ご近所では有名人なんじゃね?

「おばあちゃん、歩道歩かんと危ないよ、」
「立って、立って」

手を差し出したおばあちゃんを抱え上げる。

「あんた やさしいのお・・・」

腕を掴んでモミモミするおばあちゃん

「ヒィィィ!勘弁してくれーッ!!」


「あんた ええ男やのお・・・」

婆さんが歯が黒くちびて無くなった口で笑う。

「イヤーッ!やめてー!すがりつかないでーっ!!」

腕を振りほどいて、

「ちゃんと歩道歩いてや、危ないからね」
「ちゃんと歩道歩いてや、危ないからね」

ばあちゃんを遠ざけて、車に乗り込み走り去った・・・

怖かった・・・

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